Weekly Review (2025年2月9日)

今週のレビューは、「渡航日決定、ア福リカ、サステナブル・キャピタリズム」

渡航日決定

ついに渡航日が決まった。2月の末には日本を発ってアフリカはケニアに向かう。そこからはどれだけ長句なるのかは想像もつかない旅が始まる予定。まず目下の現地視察としては少なくとも6ヶ月、長ければ9ヶ月〜1年ほどは向こうに滞在しようと考えている。今回現地に行ってやることと国が決まれば、そこからは本当に先がわからない長い道が続くことになる。正直、ドキドキや不安を感じていたのはアフリカ行きを決めた11,12月頃がピークで、年明けくらいからはもう行くという意思決定をしてから意外と時間が経ったので、かなり現実的に考えられている。とはいえ、出発が近づき、自分の今のぬくぬくと安心した幸せな暮らしから外に飛び出す瞬間が目の前に来るほど、きっと不安と恐怖と僅かな興奮がまた襲ってくるのはもうわかっている。そして同時に、むしろその感情や境遇を一つずつ乗り越えていくことが人生であり、そんな起伏があるから人生は鮮やかになるのだろうということもわかっている。だから、大変な日々が待っているとわかっていても、いやいるからこそ、全てを受容していきたい。今はその日にむけて静かにただ準備を進めていこうと思う。そして、今生きている暮らしや、今の自分の当たり前に対して一つずつ感謝して、幸せを噛み締めることも忘れずに日々を送りたい。

African Weekends 2025|ア幅リカ

この週末は、ア福リカさんが主催する「African Weekends 2025」に参加した。アフリカで現役で活動している人たちが集まり、土日の二日間朝から晩まで約20名のゲストが登壇してアフリカに関するあれこれについて語ってくださるイベント。アフリカへの渡航が目前に迫った私にとっては、すでに活動している先人の実体験から学ぶことができるので大変ありがたい機会。さらにこの登壇イベントに匹敵して非常に貴重な機会となったのが、各登壇イベントごとの後に続く、交流会。登壇者と参加者全員が混ざって小グループを作って交流できる。皆、アフリカにすでに関わっていたり何某かの関心がある人ばかりなので、お互いの状況や方針を語りながら、今後シナジーを埋めそうな出会いをたくさんいただくことができた。こと自分に限った話でも、アフリカで事業をやろうとしている日本人と出会うの機会はなかなかない中で、今回のイベントには同じような志を持った人にどんどん出会うことができ、このイベントに参加したからこそ得られた機会がとにかくたくさんあり、本当にありがく、とても素敵なイベントだった。今後も継続的に参加させていただきたい。この中で生まれた出会いから新しい価値を生み出すことや、自分も他の参加者の方に価値提供をできるとが今後さらにできるといいなと思う。

ア福リカ produced by NaKaribu
ア福リカ produced by NaKaribu アフリカの水を飲んだものはアフリカに帰る。その要因のひとつは「幸福観」アフリカの独特な価値観に学び、アフリカに好きで関わる。アフリカ×幸福。それがア福リカです。
Peatix
African Weekends 2025 ☆zoomURLは前日にメールにてお送りいたします。質問とうございましたらお気軽にお問い合わせください。 ※当日にお申込みされる場合、Peatixに反映されるまで、30分程度時間...

サステナブル・キャピタリズム

サステナブル・キャピタリズムという言葉は、芸術家な長坂真護さんの言葉。長坂さんは、ガーナにあるアグボグブロシーというスラム街のゴミを使ってアート作品を作り、その作品の売り上げをアグボグブロシーへの投資に還元していらっしゃる方。芸術家であり、起業家であり、社会活動家でもあり、とにかく型にはまらず世界にインパクトを与えている素晴らしい方。アグボグブロシーはガーナの首都アクラの近くにある世界最大の電子機器廃棄物の処理場で、世界中から電子機器のゴミが集まっている。スラムの人たちはそこで有害な物質を出しながらゴミを処理し、生活を送っている。私自身は以前Netflixの『Buy Now』観てその存在を知ったのだが、そのゴミ問題をアートを使って解決しようとしている日本の方がいるとは思わなかった。この長坂さんのことを今回知り、とてもいろいろな学びや刺激を受けたのだが、中でも最もビビッときたことをここに書き留めておきたい。それが「アートを株式のように活用することで、資金を集め、事業投資している」ということ。詳細を記載する。まず、長坂さんの会社は外部資本を入れていない。普通資金調達の方法は大きく2通りで、投資家に株の一部を売り渡すことで資金を得るエクイティファイナンスか、あるいは利子をつけて返済することを前提とした借入であるデッドファイナンスだ。多くのスタートアップは会社の成長性を投資家に説明し、将来的な株式の価値を高く見積もってもらうことで、株の一部の流出と引き換えに多額の資金得る前者の方法を使うことが多い。一方で、株を渡すために、会社の方針を決める際に株主の意向を反映させる必要があったり、IPOやM&Aなどによるexitを前提に会社を進める必要が発生する。一方で長坂さんは、株を売らない代わりに資産家にアートを売っている。アグボグブロシーのゴミを使ったアートをつくり、それを資産家に売る。資産家には、会社や長坂さん自身が有名になった際にアートの価値は上がる、また、社会的な意味を持つアートを買っていることで資産家自身が社会貢献的な活動に積極的であることの証明にもなるというようなアピールを行うことで、アートと引き換えに多額の資金を資産家から得ることができる。この「アートの価値の成長性をアピールして、資金調達をする」という点は、スタートアップの創業者が「会社の成長性をアピールして資金調達をする」というものとまさに同じ構造だ。ただ、大きく異なるのは、長坂さんの場合は株式は流出させておらず、常に会社の所有権を持ち続けられていること。つまり、資本主義のデファクトスタンダードであった、「株式を使った資本の獲得」という仕組みをアートとソーシャルによってハックしたことになる。これはすまじい発明だと本当に感動した。私自身、会社や事業を作り伸ばしていく中で、ファイナンス面をどのように計画していくか(エクイティでやるか、デッドでやるか)の課題は常に頭の片隅にあったが、今回の長坂さんのケースをきいて、これは今の当たり前を疑って、自分にとって最適な形にハックするべきだと確信した。アートは長坂さんの強みであり一つの手段であることは間違いなく、他にも自分のケースにおいて最適なバック方法があるはず。その手法を模索し、当たり前にとらわれない形で自分の理想を追求したいと思う。私にとって、長坂さんが資本主義(キャピタリズム)をハックして生み出したサステナブル・キャピタリズムの衝撃は凄まじい。

MAGO GALLERY ONLINE
長坂真護 オンラインギャラリー | MAGO GALLERY ガーナのスラム街に積み上がる先進国からの廃棄物でアートを制作する美術家・長坂真護は、サステナブル・キャピタリズム(持続可能な資本主義)を提唱し、ガーナのスラム街...
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