新年度が始まった。と、風の噂で耳にした。アフリカにいる身としては、新年度が始まった感覚は全くなく、昨日から変わらない時間が今日もゆっくりと過ぎている。同じ地球上にいても、少し環境が違うだけでこんなにも変わるものかと、人間が作り出す”雰囲気”やの凄さを実感する。とはいえ、今日から新しい環境で挑戦をする人がたくさんいる。新入生や新社会人だけではなく、この年度の変わり目で転職や異動があった人、いや、特に大きな変化はない人も含めて、みんな心機一転今年度も頑張ろうと決意していると思う。僕も、このアフリカの地で成すべきことを成すぞと改めて誓う。
実は今朝ケニアからウガンダに向けて陸路を使って国境を超えてきた。ケニアのキスムというウガンダに近い街からのスタートだったので、所要時間は8.5時間ほど。深夜便だったので国境を超えてからは眠りながら移動できて結構一瞬だった。とはいえ、しっかり睡眠が取れたわけではないので、正直半分寝不足でこの日記を書いている。
ここ最近は、こちらで活動しているJICAの協力隊の方の現場を訪問させていただきお話を伺ったり、マサイマラ国立保護区でサバンナのど真ん中で生活を送ったりと、かなり活動していたので1日1日が一瞬で過ぎていた。どれも本当に貴重な経験で、「ああ日本を出てここにきて良かったな」と一瞬一瞬を噛み締めながら過ごすことができた。
ただ、この怒涛の数日が過ぎた後。ウガンダに移動する前に、キスムで少しゆっくりとした時間を過ごすことができた時、ふと漠然とした不安に襲われた。あれ、今って本当に前進しているのだろうか。これまでの間に自分は何か前進したのだろうか。事業につながる時間を本当に遅れているのだろうか。思えば、日本を出てアフリカに来てからちょうど1ヶ月が経過していた。この1ヶ月で得た経験は本当に大きい。日本では想像すらできなかったような場所や人との出会いがあり、アフリカに来て本当に良かったと思いながら1ヶ月を過ごしてきた。ただ、ふと一人になると思う。一人でここに何をしにきたんだっけ。そのための時間をちゃんと送れているんだっけ。明確にYESとはいえない。むしろ、NOと言っても自分自身違和感がないくらい、まだ前進している感覚がない。この漠然とした不安が、一人になって怒涛の時間から解放された束の間に一気に襲ってきて怖くなる。そう、正直怖い。
昨夜、前職時代の同期から電話がかかってきた。「MVP取ったよ」と報告。本当にすごい、おめでとう。心の底からそう祝った。でもふと思う。自分はこの一年で本当に前進したのだろうか。前進しようとおもって会社を退職したけど、本当に前進しているのだろうか。過去を振り返って、また怖くなる。「俺は今年頑張って結果出せたから、お前も頑張れ」。彼の性格も十分に知っているつもりなので、100%激励の言葉であることはわかっていても、少し怖くなる。自分はちゃんと頑張っているのだろうか。
怖さを感じるのは、不安を感じるのは、きっと、”行く宛て”が見えないからだ。自分が何の領域で、何の事業を、誰の何のためにやるのかが全く決まっていない。だから、もしかしたらずっと何も決まらずに終わってしまうのではないかと、不安と恐怖に襲われる。以前のどこかの日記で、「この経験自体に意味があるのだから何も決まらなくても大丈夫」と書いた気がする。その気持ちは変わらないし、この経験が自分の人生においてとても重要な時間なのは間違いないと今も断言できる。ただ、ここまできて、何も成さずに帰るのは、僕の負けず嫌いな性格が正直許さない。不安と恐怖にずっと飲み込まれそうだけど、ここで踏ん張って成すことを成していくのが自分だと、自分自身が一番信じている。だから、この経験自体の価値はちゃんと感じつつ、大切にしつつ、この中でしっかりと挑戦し切ること、逃げずにバッターボックスで思いっきりバットを振り抜くことを自分と約束したい。バッターボックスに入らないとか、見逃し三振なんてだめだ。どんなボールが来るのか全くわからないけど、自分を信じて愚直にバッターボックスに立ち、バットを振り続ける。話はそれからだ。