アフリカ最大のスラムと呼ばれるキベラスラム。推定で約200~250万人の人が暮らしているという。札幌市の人口が約200万人と言われているので、ほぼ同じ人数かそれ以上の人数がここに暮らしていることになる。キベラスラム自体はケニアに来る前から知っており、スラム自体自分の目で見たことがなかった自分にとしては、どこかのタイミングでその機会を得たいと考えていた。今回、このキベラスラムを見学させていただくツアーに参加した。実はこのキベラスラムの中にある学校「マゴソスクール」を運営している日本人の方がいる。早川千晶さんだ。ケニアに在住されて約40年弱ほど。マゴソスクールだけではなく、ジュンバ・ラ・ワトトという子供の家などの運営もされている、この分野のプロフェッショナルでありレジェンドの方。そんな早川さんのことをケニアに来てから多くの方から紹介いただき、ぜひ早川さんのツアーでキベラについて学ばせていただきたいと思い、参加した。結論から言うと、ここには書ききれないほどの学びがあり、正直まだ消化しきれていない。ありきたりな感想になってしまうかもしれないけど、それが素直な気持ち。ツアー1日目の早川さんのレクチャーで得た、アフリカに対する新しい見え方、考え方。自分がこれまで持っていた固定観念がぐるりとひっくり返る。同時に自分が持っていた考えの解像度がグッと引き上げられる感覚。2日目にキベラを実際に周り、そこで暮らす人、コミュニティ、学校、経済圏、そしてそこに存在する無数の課題と希望。色々なものを一気に吸収しすぎて、消化不良になっている。これは数日とかそんな単位では消化できない体験。ただ、ここで見たもの、感じたもの、考えたもの、得たもの。全ては今後の自分の人生のところどころで重要なパーツとして自分に語りかけてくれる気がする。だからこそ今の自分で無理に消化せず、心と頭の片隅に大事に持っておきたいと思う。その時が来るまで大切に。
一つだけ、僕が今回の経験を経た今、最も明確に感じていることをここに書いておきたい。それは「キベラこそ希望である」ということ。正直変に聞こえるかもしれない、ふざけたことを言うなと思うかもしれない。ただ僕は本当に心の底からそう感じた。キベラには本当に厳しい状況で生きている人がいる。いや、みんながそんな環境で生きている。そしてそんな人たちが約200万人以上も暮らしている。そう、そんなに多くの人たちが、膨大で厳しい課題に毎日向き合い続けている。ただ、誤解を恐れずに言うと、これは、とても大きなビジネスチャンスだと思った。僕はこの資本主義社会の中で、より多くの人の課題を解決できる最適な手段はビジネスだと思っている。今回、キベラは本当に厳しい状況だと、自分の目で見ても心の底から感じた。しかし、だからこそ、そこでビジネスをやる意義がある。ビジネスモデルを組み、資本をうまくテコの原理のように使うことで、200万人という膨大な人たちの暮らしを少しでも、いやもしかしたら劇的に変えることができるかもしれない。実際に今回の見学でも、約数十メートルおきに並ぶM-PESAの店舗や、KOKO FUELのコンロやチャージスポット、Sun Kingのハンドライト兼ラジオなんかを目にした。格安のスマホも露店で売られていた。人々の課題を解決するもので、人々から本当に必要とされるものであれば、そこがスラムであろうが関係ない。むしろスラムこそがそんな革新的なサービスを求めている。課題がある、だからこそやる意義がある。日本で最近出てくる新しいサービスには、正直あってもなくても特に変わらないようなものが多くて辟易としていた。でもこのキベラでは、あらゆるサービスを必要としている人が200万人もいる。いや、キベラでだけではない。ケニア国内の他のスラムでも、アフリカ全土にも、他の途上国や先進国の中にだって、同じような課題に直面している人がいる。このキベラから世界中の人の役に立つビジネスを産むことができたら、本望だ。そんなビジネスをやるためにアフリカに来たんだ。心の底から思う。このキベラは、僕にとって希望だ。