アフリカのケニアに来て約1週間半ほどが経った。ありがたいことにたくさんの方にご機会をいただいて、濃密な毎日を送ることができている。本当にあっという間に過ぎたこの約10日間ほど。この現時点で自分が感じている今後の方向性について書いておきたい。本当に毎日が目まぐるしく刺激の多い日々なので、もしかしたら数日後には全く異なる方針を持っているかもしれないけど、それでも今、今日この時点ではこんな考えを持っていたという記録にもなるので残しておきたいと思う。
ここ数日よく考えるようになったことは、「なんでアフリカに来たんだっけ?」ということ。この10日間ほどでたくさんの人にお会いしてきたけど、揃って皆さんに「なぜこっちにきたんですか?」と聞かれる。その度に、起業をするため、事業をするため、事業で取り組むテーマ/社会課題を見つけるため、などと答えてきた。もちろん正直に自分がその時思っていることをお答えしている。ただ、そうやって色々な人となん度も質問と回答を繰り返している中で、自分の中でも、それが本当に自分の思いなのか、実はその言葉のもう一つ先に自分でもまだ気づいていない何かがあるのではないか、といったふわっとした何かを感じていた。また、最近は朝目覚めたり、夜眠りにつく前にも思う。自分の生まれた故郷や住み慣れた街、気の知れた友人や大切な人たちと離れて、このアフリカの地で一人、自分は何のために今この瞬間を過ごしているのだろうか、と。日本が恋しくて帰りたいとかそういう感情とは違う。今この瞬間をこの場所で過ごしているのは、なぜなのか。なぜ自分はここにいることを選択しているのか。なぜその状況に納得しているのか。何がそうさせているのか。”ここにいる理由”を探している。それは自分の中にあるのは確かだけど、まだ自分で見つけきれずに、明確に理解できずにいる。そんな状態なのかもしれない。
そんな中、今時点で自分が感じている理由の一つをここに書いておきたい。自分が今ここにいる理由。それは「自分が人生を使って取り組みたいテーマを見つけにきた」ということ。これは、間違いなく自分がここにいる理由の一つであると、自分の心に嘘をつかずに言い切れる。渡航先としてアフリカを、さらにいうとサブサハラアフリカを選んだ一つの背景は、貧困問題や環境問題の中心地だから。自分がこれまでに何度か訪れて文化も雰囲気も好きなアジアではなく、一度も来たことのないアフリカを選んだくらい、この事実は自分がいる場所を決める理由の一つとして重要だったのだと思う。なんで日本国内じゃないのか。それは、日本という小さな枠の中だけではなく、世界とか地球とかそういったスケールで物事を捉え、考えて、自分の人生を使っていきたいと思ったから。これも、自分がここにいる理由の一つであることは間違いがない。そう、こうやって、何でここに来たんだっけ?、何でこの意思決定をしたんだっけ?、何を見て聞いて、何を考えていたんだっけ?、と振り返ると、そこには、自分が今ここにいる理由のかけらがたくさん散らばっている。そしてそれをまとめてみると、そのかけらは「自分が人生を使って取り組みたいテーマを見つけにきた」という結晶になる。
そうやって、自分が考えて、選択して、行動してきた一つ一つのかけらの結晶が今なのであれば、今後の自分のことを考える時も、この結晶に従っていけばいいのだと思う。つまり、自分はこのアフリカの地で何でもいいから事業を立ち上げるためにきたわけではない。もしそうやって何か事業が立ち上がっても、それは自分がここにいる理由にはならない。そうではなく、自分が人生を使って取り組んでいきたいテーマを見つけ、そのテーマに対して事業なのか、もしかしたら別の形なのかはわからないけど、自分がこうしたいと思うやり方で取り組んでいく。そんなことができたら、きっとこれまで散りばめてきたかけらは変わらずにちゃんとした結晶となり、自分の人生の中できらりと光りながら残り続けていくのだと思う。
何だか思ったことを色々書いてしまったけど、とにかく自分が今後こうあるべきだなと思うのは、「自分の人生を使って取り組みたいテーマを見つけること」。これなんだなとアフリカに来て10日くらいの刺激的な日々を過ごして、今思う。だから、事業が立ち上がるとかそういう以前に、まずは一旦そんなことを忘れて、自分のあるべき状態を保つこと。具体的には自分が心から取り組もうと思う、人生を使おうと思うテーマを見つけること。ここに時間を使おうと思う。いろんなものや人、環境、文化なんかに触れて、色んな喜びや感動、課題、悔しさ、怒り、苦痛を感じたい。そうやって経験と思考を繰り返していくことが、そのプロセス自体が、自分がずっと求めていたものなのだと思う。そしてそのプロセスを通して、自分が人生を使いたいテーマが見つからなかったとしても、それはそれでいいのだと思う。ここで得る経験、思考は自分の人生の大事な一ページだし、もしかしたらそれが数年後に回り回って何かとつながり、ふと何かのテーマにつながるかもしれない。だから、自分が納得できる時間を、納得できる形で過ごしていきたいと思う。
ここにいる理由。