今日は番外編。というのも、アフリカの同年代先輩起業家から今の自分に最高にぴったりな内省レクチャーをいただいたので、その学びをここにメモしておきたい。前提として、今日の機会をもらった背景となる自分の現状はこんな感じ。
- 社会貢献×ビジネスをやりたいと思ってアフリカに来たけど、何の事業をどのドメインでやりたいのかが定まっていない
- 色々なアイディアは思い浮かんでいるものの何かしっくり来ていない
- ここで自分が何をするのがいいのか、納得できる答えが持てていない
ざっくり言って、アフリカに来たけど、自分は何がしたいのかがフワっとしているという状況。さて、では学んだことをまとめていく。
人間のwillを4象限で考える
自分が何をしたいか、つまりwillを考える。この時、人のwillは以下の4象限で分類できる。

自分がこの中のどれに当てはまっているかを理解しておくことが大事。横軸は、人からの見え方を重視するかしないか、縦軸は、他人のためになるものをやりたいか、自分のためになるものをやりたいか。例えば、左下は人からの見え方を気にしつつ、自分の利益を追いたいケースで、収入や地位、名誉に対するwillが強い人が当てはまる。逆に右上は、他人のためにやれたらよくて、人からの見え方も全く気にしない、つまりNGOなどにwillがマッチする人が当てはまる。僕はこの中だと直感的に左上に当てはまる。つまり、自分のためになるような事業には本当にあまり関心がない。お金を大量に稼ぎたいとか地位や名誉が欲しいとかはほとんどない。他人のためになる事業、他人の課題解決をできる事業をしたいというのが本当の本音。ただ、人からの見え方も少しは重要で、他の人から見ても、その事業面白いねとか言ってもらえる方が燃える。つまりNGO的にやっていけるほど完全に自分を捨て切るタイプではないけど、他人のためになる事業をやりたいタイプ。これが構造的にわかっているだけでもかなり違う。あ、だから自分はスモールビジネスをやってお金を稼ぐことを目的にしようとしても燃えないんだとわかった。逆に社会課題に興味はあるのに、NGOに入ろうと思わない理由もわかった。他人のためになる事業を自分で動かしたい。みたいなのが自分の特性なのだと思う。そう特性。つまりどれがいいとか悪いとかではなく、自分がどんな特性なのか?それだけである。
why(定数)から始める
why(定数)から始める。whyとはつまり自分の定数で、これさえあれば頑張れる、この軸だけは心から反応しているしブラさない、この部分がブレなければ幸福であるみたいなもの。つまり人生の中でブレない定数。ここから始めることが大事。逆に、何をするか?(what)どうやるか?(how)みたいなこと、つまり手段から始めてしまうと、それが自分の定数につながっているかは分からず、奇跡的に自分の定数に当てはまるものに出会わない限り、ある意味での無駄撃ちをすることになってしまう。だからこそ、どうなってもその軸に沿っていたら納得できるという自分の定数から始めることが大事。これは、ベクトルや、一次方程式で考えることもできる。以下それぞれ詳しく。
ベクトルで考える
ベクトルは「大きさ」と「向き」で定義される。この時、「向き」が前述の定数になる。向きがブレなければ、大きさが時によって変動しても納得した人生になる。つまり下図でいくと、理想の状態を明確にバックラッシュで考える。そうすると現状から理想までの向きが決まるので、あとはこの向きだけずらさずに固定すればいい。一方で、向きがブレブレのまま大きさから入ってしまい、「年商10億!」みたいな大きさの目標をもって達成したとしても、全く幸福感を感じなかったりする。もちろん、この「年商10億!」がその人の向きであれば幸福になる。自分の向きがどこを向いているのかを理解し、そこからブレないように適宜修正していくことが重要になる。

一次方程式で考える
一次方程式で考えても同じように見ることができる。二つの変数y, xと定数aより成り立つy=axを考えた時、定数aが決まっていれば、時にxがどんな値を取ってyの値が変動したとしても、yは常に自分が納得する値しかとらない。つまり、aが固定されていれば、常にy=ax上の値を取るので、自分が納得できる値しかとらないことになる、しかしaがブレてしまうと、たとえxがどんなに大きな値を取っても、yは納得する値を取りえない。この定数aがやはり鍵になる。

※頭の中のメモ
(最後に今回の学びを踏まえた今の自分の頭の中を忘れないように、100%自分のために殴り書きでメモしておく。)
自分は何かこの分野という分野がなく、広い分野に対して興味が出る。例えば、貧困(所得)の問題、教育アクセスの問題、食糧危機、地球温暖化、ファッションの大量消費問題、電子ゴミの廃棄、移民、数強対立、LGBTQなど。それゆえに自分が何に軸を置くのがいいのか分からず悩んでいた。ただ抽象化して考えると、自分は「不条理」や「機会の不平等」みたいなことに関心があるのかもしれない。例えば、教育おアクセスなんかはもちろん機会の不平等にそのままあてはまるけど、LGBTQだって、性的な志向ごとに機械が不平等であること、一部の人は不条理な状況下にあるという課題に対して自分が反応している。電子ゴミの廃棄だって、先進国の人が出した有害なゴミを、生まれた環境が違うだけで危険な環境下でその廃棄をしなくてはいけない人がいるという不条理に強い違和感を感じている。つまり、僕は分野が定められていないのだけど、定めなくても良くて、一段抽象度の高い「不条理、機会の不平等」につながることであれば、熱量を向けられるのだと思う。だからこそ無理に何かにドメインを絞らず、まずは今出会っているもの、少し行動して出会うものに潜む不条理や機会の不平等の解決から着手すればいい。そして他にも関心があり取り組みたい不条理や機会の不平等が見えたらそこにも手を出せばいい。これを続けていくだけでいいのだと思った。誰の何を解決したいはめちゃくちゃ大事。ただそれは一つではなくて何個あってもいい。ただ、それが一貫して自分が納得している「不条理、機会の不平等」の解決につながっていれば大丈夫なのだと思う。さらにいうとその解決はもしかしたらビジネスではなく、支援形式のものが最適な場合もある。つまり「ビジネスでの起業」という手段にとらわれずに、まずは定数の「不条理、機会の不平等」を守り、そこに対して目の前のそれぞれの課題と向き合って、解決策としてビジネスなのか支援なのかを選べばいい。定数を守りできることから取り組むこと。これが今の自分に最も大切な考え方なのだとわかった。そうとわかれば、ナイロビにいる場合ではない気がする。なぜなら、自分が感じる、反応する「不条理、機会の不平等」は都市部にいる比較的裕福な人のそれではなく、生まれた環境によって人生の影響を受けやすい農村部だから。ああ、こう書いているとやっぱり納得する。まずは農村部に行く。そこで自分が色々なドメインの中でもより反応するドメインの人にあって課題をきく。その課題が自分の軸である「不条理、機会の不平等」によるものであれば、そこで初めて解決策としてのHow, Whatを考える。そして一つ一つやっていく。これに尽きる。これからの3ヶ月は検証期間、その後の3ヶ月は事業立ち上げ期間みたいに考えている。最初の3ヶ月で色々なところに足を運び、そこで見えた中で自分が最もやりたいこと、これは全てのものから一番を選ぶbestではなく、その時点で自分がいいと思っているものの中で最もいいもののbetter than betterを見つけ取り組目ばいい。bestはいつまでも再現がないけどbetter than betterを繋げていくことが大事。
ポレポレ前進しよう。