今日は書きたいことがたくさんある。一応断っておくと、書く内容がないとその日はダメな一日であるとは全く思わない。むしろ一日の価値は同じで、全ての瞬間、全ての日が尊いと思っている。ただ、書き残しておきたいなと感じるような出来事にたくさん出会えたことはこれまた素直に素敵なことだと思う。
さて、今日はまず、昨日の日記の通り「泥臭い行動」をしようと街に出た。縫製関連の事業案を考えていたところ、ケニアはテイラーがそこら中にいるという話を聞いたので、何かそれを使った事業ができないかと思って、「Nairobi Textile Kenya」という、テイラーと布商人の小さなお店が集合している商業ビルに行ってみた。ここはCBDいわゆるダウンタウン内にあるのだが、実は世界最恐都市と言われるナイロビの中でも危険なエリアで、基本的に立ち入りは推奨されていない。ただ、日中でドアtoドアの移動なら大丈夫というお話を聞いた上で、Uberで移動した。結論から言うと、想像以上に治安が悪い。これまで東南アジアや中央アジアの途上国に行ったことがあるけど、数段治安の悪さのレベルが違う。危険エリアに入ってからは、立ち込める雰囲気やそこにいる人、何もかもが危険であることを直感的に訴えかけてくる。現地人以外の人はほとんどいないので、Uberを降りた瞬間に、現地の人4,5人くらいに囲まれて、どこにいくんだ?俺が連れてってやるよ、と話しかけられる。ああ、これはやばいと思った。結局、そういう地域には政府が派遣しているのか警備員的な人がいるので、彼に案内してもらい、Uberのお兄さんが間違えて僕を降ろしたところから、目的のビルまで少し歩いた。多分5分くらいの移動だったけど、相当神経を使った。目的の5階建てのビルにはたくさんのテイラーがいて、布もたくさん売っていたけど、商品のレベルで言うと、アジアのナイトマーケットのような感じ。アウトではないけど、これで事業をやるには、素材だけでなくテイラーや商人を何度も確認して見極めることが必要そう。実際30分ほどかけて、中を見学し、2つの店の商人と話して調査した。どこから素材を輸入しているのか?素材はどんなものを使っているのか?単価はいくらか?テイラーに委託した際のレイバーはいくらか?などなど。結論、悪くはないけど想像しているレベルのものを作るのに最適かは、少し検討が必要そう。大体感覚を掴むことができたので、次の目的地まで行こうとUberを呼んだ。が、ここでもトラブル、人が多すぎるのと、あらゆるところで工事をしているので、Uberがビルまでやってこない。GPS上では確かに到着しているけど、多分一つ横の通りに入ってしまっている。そう伝えても、工事でなかなか近寄れないと言われて、ドライバーに会えない。困った挙句、ビルのセキュリティの女性にダメ元で頼んだら、他のセキュリティの屈強そうな男性スタッフを呼んで二人がかりで僕のUberを探し回ってくれた。「スマホはとられるからすぐしまって、常に周りに気をつけて」と言ってサポートしてくれる。体の前に抱えたボディバッグをぎゅっと握りしめる。結局この二人と一緒に15分〜20分ほど車を探し続けたと思う。ついに手配したUberに出会うことができ、ダウンタウンを後にすることができた。驚いたのは、セキュリティの二人からお金を要求されなかったこと。大抵こういう時はスモールマネーをくれと言われるのだけど、車が見つかったら一緒に喜んで、気をつけてと握手して送り出してくれた。めちゃくちゃ親切じゃん、感動してしまった。日本だったら当たり前かもしれないけど、それでも人に助けてもらうことのありがたさ、親切心の尊さを心から感じた。本当にありがとう。
ダウンタウンのテイラーの状況をなんとなくだけど掴めたあとは、ショッピングモールに移動。ここにはかなりしっかり作り込まれた現地の服屋や鞄屋、雑貨屋なんかが入っているので、さっきのダウンタウンのものと比較してみようと思った。レザーを使った品質の良さそうな鞄屋、アフリカの雰囲気が満載の服屋に入って店員にまた話しかけてみる。素材の話や生産地の話を聞いていくと、やはりさっきとはまた様子が違う。基本的には自社工場を持っていて、そこで全て製造をしているらしい。工場の数は1つだけだったり、店舗数も2、3個だけだったりといった規模間だけど、ちゃんとした製造業が成り立っている。すごいなと感心しつつ、現地の素材を使って商品を作ってみたいんだけど、なんて話してみた。すると興味を持って聞いてくれてマネージャーや取引先を紹介するよと言い、連絡先を教えてくれた。まじか。正直、こんなにフレンドリーに紹介してもらえるとは思っていなかった。めちゃくちゃ嬉しい。大喜びして連絡先を受け取り、本当にありがとうと感謝を伝えた。ただ連絡先をもらえただけで、何かを作ったわけでも、何かの事業ができると決まったわけでもない。そんなことはわかっている。そしてもちろん、ここからもそんな簡単にいくはずがないこともわかっている。きっとマネージャーと連絡ができてもなかなかアポイントが取れなかったりなんてことは当たり前に起こる。いや、これはまあ日本でも起こることなので、きっともっと大変な道のりになるかもしれない。とはいえ、嬉しかったのは、「泥臭く人間臭く行動してみる」という躊躇して逃げてしまっていたことも、やれば全然できるじゃん、自分やれるじゃんってことがわかったこと。これが正直一番嬉しいのかもしれない。びびってやってなかったけど、やれば自分でもできるということが経験を通してわかった。ああ、今日も前進した、きっと前進したと思える。そんな小さなことに喜んでいるし、喜べている。うん、嬉しい。
さて今日の最後の話題、ケニアで挑戦する同級生に出会えたこと。正直言って、直感的にわかる。これはとっても素敵な出会いだと。お相手に迷惑がかからないようにここでも具体的な話は避けるけど、僕よりひと足さきにケニアで挑戦を始めていて、すでに事業が形になってきている段階とのこと。実は渡航してくる前に参加したオンラインイベントを通して、僕は一方的に存じ上げていた。なのでこのナイロビで直接会うことができて本当に嬉しい。そしてすごく心に響いたのが、その野心。今は事業を立ち上げた段階だが、今後どんな展開をしていこうと考えているのかといった話を聞いて、素直にすごくワクワクした。ああ、面白い、絶対に面白い挑戦になる、心から応援したいと思ったし、負けじとめちゃくちゃいい事業やって一緒に盛り上げ、盛り上がって行きたいと心が躍った。そう、心が躍ったのだ。ありがたいことに今度、事業の現場にもお邪魔させてもらえる予定なので、たくさん学んで切磋琢磨したい。こっちに来て数日でわかった。人との出会いが一番の宝物だ。
明日も、ポレポレ前進しよう。